2024/04/16
桜の花も散り、遅くにやってきた春は駆け足のように季節を初夏にバトンタッチしてるかのようです。
春の食材といえば山菜ですが、「ふきのとう」や「土筆」は、天候を見ながら私だけの隠し場所に毎年取りに行きます。今年は土筆をたくさん搾りました。先週は天然の「タラの芽」をたくさんお客様が持って来てくださいました。毎年本当に有難いです。
いまは、北や東北のほうから、北九州では珍しい「行者にんにく」「あまどころ」などを取り寄せてお出ししています。写真の一番手前は、「こしあぶら」です。山菜の女王と呼ばれている美味しい食材です。
冬眠明けの熊は山菜をたくさん食べて、冬眠している間のドロドロの血液を浄化させているそうです。山菜を食べれる時期はあとわずかですが、熊にならって山菜でデトックスするのも良いかもですね。
2024/04/14
オコゼは、背びれに毒針を持ち、姿カタチでは想像できない程、白く透き通った白身は「冬のふぐ」にも劣らない美味しさです。玄界灘で獲れるオコゼの薄造りは歯ごたえもよく
また、肝や皮、腹身、胃袋は湯引きすると食感も格別です。
オコゼのアラは、お味噌汁でお出ししています。ゼラチン質の皮や骨身についている白身はまた格別な美味しさです。4月ごろから旬を迎える「夏ふぐ」といわれる所以です。
2023/03/03
今日は、三月三日の雛祭りです。雛祭りは「貝祭り」と呼ばれるほど春は多くの貝が旬を迎えて美味しくなる時期です。磯の香りと旨味が凝縮した貝類は、タウリンやミネラルなどの豊富な栄養分が含まれています。女の子のお祭りの華やかさを表現しながら、旬の食材の良さを活かした料理を心掛けてご提供したいと思っております。
写真のお雛様は、博多人形作家中村信喬さん作「次郎左衛門立雛」。私の娘の為にと、亡き父母が買ってくれました。段飾りのお雛様も素敵ですが、世界中に持ち歩いて飾ってほしいと思い、母親である私が熱望したものです。世界を股にかけて自由に自分の足で生きて行ってもらいたい、そんな思いが込められているこのお雛様。娘も自由と夢を持って家を出てしまった今は、ポツンと家の中に飾られたお雛様を見つめながら、いつの日か昔の様に賑やかな声に囲まれながら、このお雛様を飾ってお雛祭りを祝ってみたいと思うこの頃です。
2022/11/14
写真の赤貝に隠れているのは、「やいと鰹」。「やいと鰹」といわれる由縁はお腹の丸い斑点がやいと・お灸の跡のように見えることから、その様に言われています。背身は中トロ、腹身は大トロで、モチモチとした食感で、マグロにも劣らない美味しさです。
器は京焼の三島手といわれているもので「陶楽窯」の三代目「森里 陶楽」さんの作品です。器のふちの模様は象嵌の手法で作られています。
器の中央にかけては、透かしの線で繋げられています。この方の作品は何種類かありますが、とても繊細で
美しい反面、洗って欠けたらどうしよう!と、いつもびくびくしながら、ウットリしながら見とれてしまいます。
2022/11/06
松葉ガニの雌がにのことをセコガニといいます。毎年冬至のころ11月6日に解禁され、二カ月余りの短い漁期しか獲ることが出来ない冬の到来を告げる食材です。
雄の松葉がによりカラダはは小さく、身も少ないですが、外真子・内真子は独特の旨味が凝縮されています。
写真は、セコガニの身を甲羅の中に詰めたもの。香箱と呼ばれています。茶色の外真子と足の身を食べ進むと、中には内真子と身が沢山詰まっています。弊店は、丹後半島の近く香住町から直送入荷しています。天候などにより入荷出来ない日もあります。
セコガニが入荷するとお客様にご提供出来るように(写真のような状態)時間と手間と愛情をかけて、従業員を総動員してセコガニを綺麗にシマツしていきます。20数年セコガニを入荷してお客様にお出ししていますが、店の者たちは、もう何年も香箱状態のセコガニを食べていません。この状態になるのにセコガニ一杯〇〇分必要だとわかっているので、もったいなくて食べられないのです。今年は数年ぶりに食べてみたいものです。
2022/11/04
調理用の彫刻刀を使用し、かぶを菊に見立てて、ひとひらこと、ひと彫りして満開の菊の花を作っています。
餡をかけているのでみにくいかもしれませんが、かぶの中には玉味噌が射込んでいます。秋の煮物のひとつです。ikonnde
2022/10/31
栗が出荷される頃になると、秋の前菜の一品として、いが栗を作ります。
湯がいた栗を真ん中に、イトヨリのすり身に短く切った素麺を刺して、油でゆっくり揚げていきます。
揚がったいが栗に十字の切れ目を入れて、中から栗の顔をのぞかせます。結構手間がかかりますが、難点は、食べるときに口の中で固い素麺が刺さる事です。
季節感を表現する作りては、手間と愛情が、食べられるお客様も季節感を味わうために少し覚悟が必要かも?ですね。
2021/12/20
出来上がった、唐墨です。そのままでもまた、大根と一緒に召し上がっても美味しいです。ひと炙りすると香ばしさが加わります。
冬の仕事の中で、年末近くなると御節料理の準備を始めます。弊店の御節メニューのひとつ「編笠柚子」
柚子の皮を薄くおろし、中身をくり抜き、そして蜜で炊いていきます。さらに、一日水で晒しやっと出来上がります。出来上がりの様子がアミが掛かった笠のように見えることから「あみかさゆず」と名付けられました。手間ひまかけて作る日本料理の冬の仕事の一つです。
2021/12/20
今年も残りあと僅かとなってまいりました。寒くなる程に、魚は旨味を増し更に美味しくなってきますが、冬特有の寒波の到来などで、漁に出ることが出来ない日もあり、せっかくの食べごろの美味しい魚たちが、とても貴重品となるのが、冬ならではの事でもあります。
写真は、ボラの卵巣を塩漬けしているところです。11月から年末にかけて唐墨を作ります。ボラの卵巣を塩漬け、塩抜き、そして、寒風に晒し天日干しで乾燥させます。もうすぐ干し上がります。今年も良く出来上がりました。
2021/10/08
昨日、福岡県の感染防止認証マークを頂きました。写真を見ての通り店の玄関には色んな張り紙がしており、通常とは趣きが違います。が、通常営業の第一歩です。少しでもゆったりとした時間で料理を御提供できることに、改めて「普通の日常」の有難さを感じます。
入店人数に制限があるため、ご予約頂ければ幸いでございます。
秋満載の料理でお待ち申し上げております。